ご本人、ご家族の要望を伺いながら、その方に合ったプランをケアマネジャーは作成していきます。
また、サービス利用開始後も、サービスの提供が適切に行われているかを確認し、常に利用者の生活を見守り、必要に応じてプランの修正をしていきます。
ケアプラン作成の例 1
相談内容
72歳男性。要介護2
脳梗塞を発症し入院。左半身に軽い麻痺が残ったが、リハビリ病院でリハビリを約5ヶ月間受けて自宅に退院することになったので、介護サービスの利用を検討したい。
ご本人の意向:リハビリを続けていきたい。
ご家族の意向:家の中で転ぶことのないようにして欲しい。
目標
奥様と一緒に歩いて出かけられるようになる。
サービス
- 福祉用具 ベッドサイドの手すりのレンタル
- 住宅改修 玄関、浴室、トイレの手すり設置
プラン作成のポイント
- 退院直後であるため、訪問看護を利用して、体調の確認や療養上の相談が出来るようにしました。
- 訪問リハビリを利用して、自宅内の動きや玄関の上り下り、車への乗降などの確認をしたり、負担のかからない動作の方法などを練習をできるようにしました。また、自主訓練メニューを作成してもらい、積極的に取り組んで頂けるようにしました。
- 住宅改修や福祉用具レンタルを利用して、自宅で転ばず安全に動けるように環境を整えました。
- 病気になる前は、奥様と二人で買い物に良く出かけていたとのことから、「二人で一緒に歩いて買い物に行くこと」を見据えて、まず自宅内の動作の安定を図り、3ヶ月位を目処に訪問リハビリから通所リハビリに切り替えて、外出するサービスを取り入れて活動範囲を拡大し、引き続き体力や筋力が維持出来るようにしていきました。
ケアプラン作成の例 2
相談内容
80歳女性。要介護1
一人暮らしを続けているが、最近になって物忘れが増え、家事も大変になってきている。
また、仲が良かった友人が他界し外出することがほとんどなくなってしまった。このまま引きこもりになって認知症が進んでしまうのではないかと心配している。
ご本人の意向:自分の事は自分でして、一人暮らしを続けていきたい。
ご家族の意向:以前のように外に出かけて、元気に過ごして欲しい。
目標
張りのある生活がおくれる。
サービス
プラン作成のポイント
- ご本人の人柄や、これまでの生活状況、嗜好などを考慮し、ご本人に合った通所介護(デイサービス)が利用できるようにご紹介しました。
- デイサービスを利用することで定期的な外出を促し、同年代の方々との交流や趣味活動を通じて、楽しい時間が過ごせるようにしました。
- ご本人のご希望により、デイサービスでの入浴をするようにしました。
- 訪問介護を利用して、居宅の掃除や食事の支度などをヘルパーと一緒に行う事にしました。
- 週末はご家族に訪問していただき、ご家族と過ごす時間も作っていただきました。
- 元々は社交的な方だったので、デイサービスでの交流の中で新たな交友関係を作り、ご本人のやりがいに繋がるような活動をすすめて行きました。ご家族の絆を大切にしながら、規則正しく生き生きとした一人暮らしが継続できるように支援しました。
ケアプラン作成の例 3
相談内容
90歳女性。要介護5
癌の末期で入院中。病院の先生に「余命は一ヶ月程度」と宣告を受けた。最後は自宅で看てあげたいが、退院するにあたり、何をどうしたら良いのか分からない。というご家族からの相談。
ご本人の意向:意思疎通が出来ず確認出来ない。
ご家族の意向:本人は以前から「最後は自宅で迎えたい」と言っていた。想いをかなえてあげたい。
目標
家族との大切な時間を有意義に過ごすことが出来る。
サービス
プラン作成のポイント
- 癌の末期なので訪問看護は医療保険の適用になりました。週3回を基本とし、状態や状況変化にあわせて随時対応してもらえるようにしました。往診医との連携を密にとってもらい、緊急時には24時間対応出来る体制をとりました。
- 訪問介護は毎日、複数回の巡回で、オムツ交換や状態に合わせての清潔介助を行ってもらうようにしました。これにより、ご家族の負担を軽減して、ご本人と一緒にゆっくり過ごせる時間を確保しました。
- 病院と同じような電動ベッドと、褥瘡が予防できるように、専用のマットレスもレンタルしました。また、点滴台や吸引器などを介護保険外で自費レンタルしていただきました。
- ご本人の状態変化を的確にとらえて、迅速に対応出来るように医師、事業所間での連携もとりつつ、看取りに向けてのご家族の心構えや、ご本人の段階的な状態の変化など、医師や看護師から助言して頂き、ご本人はもとよりご家族の不安にも寄り添った支援をさせていただきました。